トランプ政権・バックラッシュと日本

トランプ政権・バックラッシュと日本

2025.05.20

執筆:弁護士 國信(インテアス法律事務所)

 トランプ政権が発足してから4ヶ月あまりが経過しました。急激な関税措置などが着目されている中、トランプ政権はDE&Iに対して否定的なスタンスも示しており、それに呼応するアメリカ企業の動きも注目を集めています。このような、DE&Iの活動に対する揺り戻しを「バックラッシュ」といいます。
 アメリカ企業の動きについては、実質的にもDE&Iを後退させる動きではなく、トランプ政権の様子を見るため表面的な言葉の置き換えで済ませているという見方もあるようです。
 このような状況を受け、日本社会や日本企業はどういう受け止めや対応をするのかが個人的に気になり調べてみました。

 その中で、アメリカの反DE&Iの動向を事実に即して記載しているものとして、大和総研が2025年5月13日に発表したレポート「『反DEI』にいかに立ち向かうか」がとても興味深かったです。
 このレポートに記載のあるアメリカでの動向を見ていると、バックラッシュの動きも活発であるだけでなく、それに対抗する社会運動も活発なのが印象的でした。文化的社会的な背景の違いもあるわけですが、日本では、バックラッシュもそれに対抗する社会運動もあまり活発ではないように感じます。活発であればいいというわけではありませんが、日本では変化が少ないことで潜在的な差別を温存させてしまう傾向があるのではないかと思います。

 そんな中、東京大学の藤井輝夫総長が、令和7年5月13日付で、「本学のDEI推進について(総長メッセージ)」において「現在、一部の国々ではDEI推進に対する逆風が強まっています。しかし、DEI推進は、現代の世界が取り組むべき普遍的課題であることは変わりません。とりわけ日本は、もともと欧米諸国に比べて取り組みが遅れており、本学も例外ではありません。他国以上に努力が必要な状況にあると考えています。」とメッセージを発信していることには意義があるように思いました。

なお、トランプ政権・バックラッシュと日本における状況については、私が開催しているダイバーシティ勉強会でも6月に取り上げる予定ですので、ご関心がある方はお気軽にご参加下さい。

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