なぜ稲田は「挑戦する弁護士」を目指すのか

なぜ稲田は「挑戦する弁護士」を目指すのか

2025.05.20

執筆:弁護士 稲田(インテアス法律事務所)

「良い弁護士とは何か」。これは、私自身が弁護士として日々考え続けている問いです。誠実であること、分かりやすく説明すること、依頼者の話に丁寧に耳を傾けること、そして迅速かつ的確に動くこと。これらは、弁護士として基本であり、当然の責任だと思っています。

ただ、こうした“正しさ”だけでは届かない場面が、現実にはたくさんあります。

たとえば、契約書にはっきりと書かれていないことを、常識や信頼関係のもとで解決したいという依頼。制度の対象にはなっていないけれど、どうにか支援の対象に含められないかという相談。形式的には無理かもしれないが、納得感のある解決を目指したいという希望。――依頼者の声に耳を傾けていくと、どうしても「挑戦」を避けられない場面に出会うのです。

私は、そうしたときに「それはできません」と答えるだけの弁護士ではいたくありません。「どうすれば可能になるか」「誰にどう働きかければ届くか」「法の枠組みの中でどんな工夫ができるか」を考え抜く。それこそが、弁護士が依頼者とともに立つべき場所だと考えています。

さらに、生成AIの進展により、正確な情報の提供自体には、以前ほどの価値が置かれなくなってきました。だからこそ今、正しいかどうか分からないけれど、「こうあるべきではないか」と言葉にできること、そしてその仮説を依頼者とともに試みる姿勢が、弁護士に求められていると感じています。

私は、内閣府規制改革推進室において行政側の立場から制度を扱う経験をしました。そのなかで、制度やルールは固定されたものではなく、現場の声によって見直され、書き換えられていくものだという感覚を得ました。

依頼者の挑戦は、時に社会の制度や前提を問い直す力を持っています。私は、そうした挑戦の最初の伴走者でありたいと思っています。

専門性、対応力、誠実さ、説明力――弁護士に求められる基本的な資質を土台にしながら、その先にある「挑戦」へ踏み出すこと。それが、私が「挑戦する弁護士」を目指す理由です。

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