松本人志氏と文春の件を、弁護士が少し考えてみました。3月18日のダイバーシティ勉強会でも取り上げます!

松本人志氏と文春の件を、弁護士が少し考えてみました。3月18日のダイバーシティ勉強会でも取り上げます!

松本人志氏の性加害報道の件について少し私なりに考えたことを書いてみたいと思います。
私が考えたいポイントは以下の2つ。(しかし、紙面の関係上2つ目は次回です。悪しからず。)
1 論点をごっちゃにしない。
2 「裁判で結論が出ていない現時点で推測をすべきでない」は本当か。

1 論点をごっちゃにしない
本件には、論点がいろいろある。
①性加害が本当にあったのか。
②松本人志氏がしていた飲み会は品位を欠いていたのか。
③休業に追い込まれた松本人志氏への社会的制裁は過大なのか。
④文春は金儲けのために記事を出しているからひどいのかどうか。
⑤裁判で請求する内容と対象者によって裁判の内容はかわること。
⑥普段の松本人志氏を知る人が、あの人はそんなことをする人に見えなかったという主張を述べるのは是か非か。
⑦文春にも社会的意義があって、女性の地位の回復に資しているといえるのか。
などなど。

こうした論点をまず切り出してみて、自分が松本人志氏のニュースで感じたことや考えたことがどこに位置づけられるかを自分なりに考えてみるというだけで、不合理なかみ合わない議論をしてしまうリスクはかなり減らせると思っています。
また、これらの論点に向き合うとき、そもそも答えがまだでないことがあることを受け入れることも大事だと思っています。正しい答えをなんとか自分で持ちたい、人に示したということを強く思ってしまうと、結論に無理に引っ張り込む思考にはまってしまって、どこかで論理が破綻する。しかも、本人は正解を出したいというスタンスを疑っていない場合は、論理の破綻にも自ら目をつぶってしまう。

以上を踏まえて、私なりに上記の①から⑦についてコメントをしてみようかと思ったのですが、長くなるので、私が一番関心がある⑦についてだけコメントしてみたいと思います。

⑦文春にも社会的意義があって、女性の地位の回復に資しているといえるのか。
私は、条件付きで資していると考えています。性加害に対する対処が刑事処分だけだとするとその立証の高さから、社会的な女性の地位の回復の効果まではないと考えていて、表現の自由ないし報道の自由を背景にする私企業による活動により結果的に社会的権力に歯止めをかけることがあり得ると考えています。
ただ、条件付きと言ったのは、その反面であくまで私企業であるため営利目的があり、公平性が担保されないおそれがあるためです。
しかし、そこで私が提示する条件は1つ。1つ目は、文春のような私企業が5社程度あり、健全な競争関係があること、2つ目は、情報の受け手である我々も研鑽を積み、報道の自由の枠を超えて名誉権侵害をする企業を見分けられるようになることです。
 特に2つ目が重要だと思っていますが、2つ目は本当に難しいですよね。

ちなみに、私が開催している3月18日のダイバーシティ勉強会でも、松本人志氏の問題を取り上げますので、ご関心のある方は是非!以下のSlackのリンクからSlackにご参加頂くと、そこに勉強会のZOOM情報等のご案内がございます。
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