遺贈寄付の価値や可能性について考える「遺贈寄付ウィーク」
2024.09.17
私が共同代表を務める(一社)全国レガシーギフト協会は、国際遺贈寄付デーである毎年9月13日からの約1週間を「遺贈寄付ウィーク」と称して、遺贈寄付の価値や可能性についてともに考え、理解を深めるキャンペーンを実施しています。2019年から始まったこの取り組みは今年で5回目を迎えます。
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「遺贈寄付」とは、個人が亡くなったときに、自らまたは相続人を通じて遺産の一部(または全部)を非営利団体等に寄付することを言います。遺言書を作成して行う遺贈や死因贈与契約、信託などの方法があります。
遺贈寄付は、寄付者にとって、最後の社会貢献であると同時に、自分がどんな人物なのかを示す行為でもあります。
2022年の実績では、全国で約1000件、金額にして約380億円の遺贈寄付が行われました(相続税の申告がなされて国が捕捉できたもののみ)。この数字は一見大きいものに見えますが、年間40~60兆円とも言われる相続財産全体からみると0.1%にも満たない僅かな金額です。一方で、相続人が不在で国庫に帰属する財産が年間800億円もあります。相続人がいてもいなくても、自分の財産の最後の使い道は自分で決めたい、死後に残った資産があるなら社会の役に立ちたい、そう思える方には、遺贈寄付は有力な選択肢になります。
遺贈寄付が相続の際の当たり前の選択肢になり、世代を超えて地域内で循環するようになれば、さまざまな社会的な課題が解決される可能性があります。そのためには地域内に遺贈寄付の受け皿になる団体やファンドがなければなりません。私の至善館でのゼミの研究テーマは、遺贈寄付の地産地消を地域の活力につなげるための仕組みづくりでした。
その最初のモデルを、地元の和歌山で立ち上げられないか、いまそのチャレンジに取り組んでいます。同じ問題意識をお持ちの方がいたら、ぜひコラボしましょう。あるべき未来はみんなで作る。Inteasuが目指す世界のひとつがそこにあります。
(樽本)